道後温泉全体で清掃への関心が高まる
―3施設でのWhiz導入事例―

  • 道後温泉 大和屋本店・ホテル椿舘・八千代 様

道後温泉 大和屋本店・ホテル椿舘・八千代 様

四国・愛媛県にある道後温泉。日本書記にも登場する日本最古といわれる温泉地の道後温泉では、32のホテル・旅館が道後温泉旅禍協同組合に名を連ねる。
組合全体としても新型コロナウイルスの影響を受け、これまで以上に清潔さへの意識が高まっている。特に同組合に加盟する「大和屋本店」「ホテル椿舘」「八千代」の3施設では除菌清掃ロボット「Whiz」が導入された。
それぞれのホテル・旅館はどのような思いで導入を決め、どのような効果を得たのだろうか。今回は、道後温泉にある3つの施設でお話を伺った。

課題

  • ①業務量が多く、チェックインまでの清掃完了が困難
  • ②人の手で清掃を行うと取り残しが目立っていた
  • ③ITの活用へ不安感が強かった

効果

  • ①客室と廊下を並行して清掃できるようになったため時間短縮に成功
  • ②Whiz×人で毎日均等にムラのない清掃を実現
  • ③今から慣れておくことで、将来的にさらなる効率化を目指す

道後温泉 導入事例①:道後温泉 大和屋本店


  • 株道後温泉 大和屋本店
  • 〈お話を伺った方〉
    支配人 植木 千恵子 氏
    管理部 部長 増田 克之 氏

    〈施設・会社概要〉
    道後温泉 大和屋本店

    道後温泉本館に隣接した、数寄屋造りの純和風旅館。和室内は聚楽壁となっており、日本の伝統建築を堪能できる。能舞台もあり、毎日仕舞を披露している。

最初はロボットへの拒否感があったが、今ではスタッフの一員だと思っている

Whizはどちらで初めてご覧になったのでしょうか。

増田氏
2019年のイベントブースで展示されているのが初見でした。その後キャンペーンに申込をして、トライアルで使わせていただきました。

現場スタッフの皆さまはどういった反応をされましたか。

植木氏
最初は不安でしたね。ゴミはちゃんと取れるのか、トラブルが起こったとき対応できるのかなどロボットへの拒否感があり、マイナスイメージからのスタートでした。

今ではいかがでしょうか。

  • 植木氏
    慣れてくると、もうなくてはならない存在になっています。
    客室清掃中は入口の扉を開けているので、Whizが近づいてくると音でわかるんです。私たちはWhizのことを「ロボくん」と呼んでいるのですが、「ロボくんが来てくれた!」って思いますね。
    今ではスタッフの一員のように思っています。
  • 客室フロアの廊下を清掃するWhiz

現場からの強い要望があり、導入を決定

どういったキッカケでそのような変化があったのでしょうか?

  • フロアの移動も自分たちのタイミングでできるので管理が楽とのこと

  • 植木氏
    これまでは客室清掃が終わったあとに、廊下清掃を外注の清掃業者が行っていたので、そのタイミングでコミュニケーションが発生していました。「客室終わったので、廊下の清掃をお願いします」のような。
    担当をWhizに変えると、廊下清掃のタイミングを自分たちでコントロールできるので、全体の動きがスムーズになりましたね。
    また、客室清掃をしながら廊下清掃を並行してできるので、時間節約というメリットもあります。1フロアの廊下清掃が20分ほどかかっていたのですが、その時間が丸々浮きました。
    新人のように、近くに張り付いて教育する必要がないという点も楽ですね。

トライアル終了後、現場スタッフの皆さまへ再度ヒアリングされたのでしょうか?

増田氏
はい、そうすると現場からは「Whizを残したい」と強い要望がありましたので導入を決めました。
清掃に関わることなので、実際の運用は現場の協力がないと何もできません。コスト面だけ見て「こんなにいいロボットがありますよ」と私たち経営側が一方的に言うだけではダメです。
実際に使ってもらって、現場にとって良いものかどうか。それが一番大切なことだと思っています。



道後温泉 導入事例②:ホテル椿舘


  • 道後温泉 ホテル椿舘
  • 〈お話を伺った方〉
    代表取締役社長 三好 卓次 氏
    フロント課 課長 桑原 巧 氏

    〈施設・会社概要〉
    ホテル椿舘

    明治時代の洋館を思わせるホテル。ロビーでは、ハイカラな袴姿の“坊ちゃんとマドンナ”が出迎えてくれるので、タイムスリップしたかのような気分が味わえる。自慢の大浴場には、日本庭園に囲まれた情緒あふれる露天風呂を備えている。

好奇心を持ってWhizに取り組んだ現場スタッフ

客室フロアの廊下、とても長いですね!どの程度あるのでしょうか。

  • 桑原氏
    約100mほどです。これまで人の手で清掃をしていたときは、2名がかりで1フロア40分かかっていました。今ではだいぶ楽になり、1名+私が少し手伝いをするという体制で清掃ができています。
  • 廊下の真ん中にあるエレベーター前から撮影。反対側にも同等の長さの廊下が続く

Whizはどのくらい稼働されていますか?

桑原氏
客室フロアは1フロア35~40分ですね。人が行った場合とそう変わりません。
ロビーはカーペット部分とタイル部分があり、今はカーペット部分だけ稼働させています。だいたい30分前後で終わります。

Whizが稼働している時間分、床清掃をしなくていいので時間が浮くわけですね。

桑原氏
はい、助かっています!共用部の清掃を担当している3名全員がWhizの起動を行えるようにしています。それぞれ、空いた時間では宴会場や、ロビーの椅子やテーブルの下が清掃しています。
社長にも、ぜひ使い続けたいと要望を伝えていました。

最初、ロボットへの抵抗感などはありましたか?

桑原氏
特にありませんでしたね。むしろ好奇心を持って、面白がって取り組みました。

取り残しが改善、ムラのない床清掃で満足

これまで清掃に対してどのような課題を感じてらっしゃったのでしょうか。

  • 三好氏
    清掃にムラがあったことですね。人が行う以上、集中力が持続しないことは当然です。
    当館は1階がロビー、2階が大浴場や宴会場、3~7階が客室フロア、8階が大宴会場となっています。複数名で行っていたとはいえ、1フロアの廊下はとても長いですし、8階分もあります。どうしても取り残しや清掃漏れがありましたね。
  • 「走るだけで空気中の菌を除去!」ステッカーを貼り、お客様の安心につなげている

Whizを導入されていかがでしょうか。

三好氏
毎日均等に完璧に清掃を行えるところがいいですね。ムラなく清掃ができ、取り残しなども改善されたので助かっています。
現在は、Whizで廊下の大部分を清掃し、端だけは人が清掃する体制としています。これまで廊下の真ん中も含めて清掃後には最終チェックを行っていました。 今ではその確認の大部分を省くことができ、精神的にもだいぶ楽になったとスタッフから聞いています。
最初はロボットの導入はまったく考えていなかったのですが、販売代理店の方から案内をいただいて良かったです。今では導入して良かったと満足しています。



道後温泉 導入事例③:道後温泉 八千代


  • 道後温泉 八千代
  • 〈お話を伺った方〉
    総支配人 菅坂 昌平 氏
    管理部 課長代理 山本 剛 氏

    〈施設・会社概要〉
    道後温泉 八千代

    道後温泉駅から徒歩約6分の、歴史ある温泉街に2018年夏グランドオープンした旅館。広々としたロビーには、落ち着いた空間にゆったりとした時間が流れている。全34の客室が、55.8~68.4㎡の広々とした空間で、気兼ねなく温泉を満喫できる半露天風呂付き。

フロントスタッフもWhizを扱える体制

Whizはどちらで活用されていますか?

山本氏
ロビーと客室フロアの廊下です。ロビーが35分前後、客室フロアの廊下は15分前後、Whizを稼働させています。
最初にロビーの清掃からスタートします。フロントスタッフもWhizを使うことができますので、起動は任せています。
その後、客室内の清掃が終わったタイミングでWhizを移動させて、客室フロアでの稼働が始まります。

客室内の清掃が終わってから廊下の清掃にとりかかるんですね。

山本氏
はい。廊下にカートなどの障害物があるので効率が悪いためです。Whizの稼働中は別の作業をしているので、特に時間のロスにはなっていません。お知らせブザーもあるので、離れたところにいても通知がくるので安心しています。

Whiz導入で、現場視点としてはどういった変化を感じてらっしゃいますか?

山本氏
清掃にかかる労力がだいぶ軽減できたと思っています。人の手でもWhizと同じくらいの時間がかかっていたのですが、その作業がなくなった分は体力的にも楽になったと感じています。

最初にWhizをご覧になったときの感想を教えてください。

  • 山本氏
    HLC(ホームロケーションコード)から出発して最後に戻ってくるのを見たとき、感動しましたね。きちんと止まるのかどうかも試してみましたし、操作も簡単だったので、すんなりと受け入れることができました。
  • 広いロビーで動くWhiz。人の手で清掃しても30分以上かかる

これから先に発想の幅を広げるためにも、今から共存しておくべき

Whiz導入のキッカケは何だったのでしょうか?

菅坂氏
もともとWhizは全く知らなかったのですが、販売代理店の営業の方からの案内を受けて知りました。当社はスタッフの仕事は全てスマートフォンで行っていますし、会社専用のアプリも制作して、積極的にITを活用した取り組みを行っています。
今後ロボットとの共存する時代も来るだろうということで、トライアルを申し込みました。

実際Whizを導入されていかがでしょうか。

菅坂氏
トライアルの期間中、うまく日々の業務にWhizを組み込むことができました。ほかの業務ができるようになったり労力の軽減ができたり、効果を感じています。そういう面でメリットがあったので、以前の業務体制に戻す必要もないと思い、トライアル終了後も継続してWhizを使用しています。
清掃時間が短くなったわけではありませんし、コストもそこまで大きく削減できたわけではありません。
しかし長い目で見て、今のうちからロボットに慣れておくことはプラスだと思っています。

今後のことを考えて、という面が大きかったのですね。

菅坂氏
当社は若いスタッフが多いので、少しでも肌で感じて慣れてほしいと思っています。いま慣れておくと、将来ITを活用した発想の幅が広がります。自分の業務で、ここをロボットやITを活用したら効率よくなるのでは、といった考え方を持つようになってほしいですね。

若いスタッフを育成する効果もあるんですね。

  • 菅坂氏
    これから先へ、思いや考え方を継承していくことも仕事です。技術の進歩で目まぐるしく変わっていく時代に対応するためにも、今できる技術は取り入れて人材を育成してことが大切です。
  • フロントでの稼働は若いスタッフの担当。簡単操作なのですぐに覚えられたそう

編集後記
今回は道後温泉にある3つのホテル・旅館へとお話を伺った。
現場の負担軽減や清掃品質の改善、未来を見据えた取り組み。Whizの導入によって三者三様の効果があることがわかった。
ホテル・旅館とひとくちに言っても、それぞれの施設でそれぞれの課題がある。どの施設でも課題を解決するために共通することは、現場スタッフの方が使いこなしているということだった。
日々使い続けていただくことが、導入効果を実感する一番の近道であることがわかる取材だった。
ページTOPへ