コロナ禍の医療現場とServiの融合
〜看護師のこころを救い、時間も創出〜

  • 千葉県印西市鎌苅(カマガリ)にある「日本医科大学 千葉北総病院 様

千葉県印西市鎌苅(カマガリ)にある「日本医科大学 千葉北総病院

千葉県印西市鎌苅(カマガリ)にある千葉北総病院。「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」や「ナイトドクター」など、数々の医療ドラマで医療監修を務めたことで知られる。この病院は指定感染症医療機関ではないが、2020年3月からコロナ専門病棟を備え、コロナ患者を受け入れている。医療現場での未知のウイルスとの戦いは不安が高まるばかり。感染症に防戦一方の中、光が見えたというServiの導入までの話を伺った。

【お話を伺った方】
日本医科大学 千葉北総病院 様
本村 友一 氏(救急救命センター医師)/ 水野 雅子 氏(看護師)

課題

  • ①コロナ専用病棟では防護服の着脱が必要なため、病室への運搬・搬入作業が大きな負担だった
  • ②看護師やスタッフにとってコロナ専用病棟への立ち入りは精神的な不安が大きかった

効果

  • ①1回あたり15分の運搬作業が減り、感染リスクの低減や人件費、防護服の費用削減につながった
  • ②Servi(サービィ)の導入により運搬作業などで病室に入る回数が減り、精神的に救われた

コロナ感染リスクの低減と暗い雰囲気の病院を変えたい中、出会ったServi

Serviを知った経緯を教えて下さい

本村 友一氏

Serviを知ったのは、2020年の3月にコロナ専用の病棟を設立したばかりの時です。この頃はコロナが流行りだした最初の時で、今でこそ我々もコロナに対する防御や戦い方が分かってきているのですが、当初は防護服を着ていてもどこまで安全かというのが全く分からない、非常に怖い状況でした。
またこの頃、感染対策のルールとして「ゾーニング」が始まりました。感染のリスクが非常に高い患者さんの近くや、その部屋の前の廊下など、感染のリスクが高い順に「レッドゾーン」、「グレーゾーン」、逆に後ろのバックヤードの安全な場所は「グリーンゾーン」。こういった形でゾーニング、区域分けをして、我々はリスク管理をしながら診療を行ってきました。得体の知れないコロナ対応でなるべくスタッフの感染のリスクを抑えたいということを考えて診療してきたのですが、ゾーニング環境で非常に厄介だったのは、いわゆる”運搬・搬送”の業務でした。 それまでだと簡単に患者さんの側に、パッと行って物を届けたり、患者さんの側から物を持ち出すことができたんですが、防護服の着用などが必要でゾーニング環境ではそれが難しかったんです。そこで、なんとかその単純作業の部分を別のものに置き換えてリスクを下げられないかなと思っていました。また、非常にリスクの高い病棟に色んな人が配属されて、雰囲気も暗かったので、そういう雰囲気も一緒に変えることができるようないいアイデアは無いかとずっと考えていました。

実際のゾーニングマップとレッドゾーンで働く看護師の様子

実際のゾーニングマップとレッドゾーンで働く看護師の様子

こうしてアンテナを張りながら調査していたところ、「病院の近くの焼肉屋さんでお肉をロボットが運んでいましたよ」というのを看護師さんが教えてくれて、これを聞いた直後にその焼肉店に電話をしました。そしたらお店の方に今コロナでお客さんがいないからロボットを貸しますよと言って頂き、早速お借りする事にしました。これが配膳ロボットとの出会いです。

未知のウイルスとの戦いは慎重を要した

Serviが来る以前の運搬作業の状況を教えて下さい。

  • 本村 友一氏

    ゾーニング環境の中、看護師やスタッフが物を届けるのに、まず防護服を着たり帽子を着たり手袋を付けるといった感染防御の準備をします。そして物を運び、戻ってきてまたそれを全部清潔に脱ぐ。着脱の時間を含めると、一回運んで行って帰るのに合計15分かかります。
    また、運搬作業1回にかかる防護服等のコストを計算したら1回150円程度だという試算が出ました。値段にすると大したことないように感じるかもしれないですが、当時はマスクやエプロンなど非常に少なかったので、貴重な備品の使用頻度が問題でした。

  • ゾーニング環境での厳しい感染対策

    ゾーニング環境での厳しい感染対策

数値でみて取れたServiの重要性

Serviがきて、運搬作業はどのように変わりましたか?

本村 友一氏

1回の運搬作業には防護服の着替えや準備に約15分かかります。その15分にServiが働いた回数を掛けると運搬作業だけで約2〜3時間かかり、その時間、看護師がリスクに晒されるという状態になったわけです。

水野 雅子氏

重症病棟は夜中も色々な物を動かす資器材・物品を運搬する必要があるため、特に夜勤帯はServiに助けられました。基本的に夜勤の看護師は3人体制で行っており、重症度が高い患者さんが多い非常に大変な時期があったのですが、Serviが夜勤の看護師1人分を補填してくれるような動きをしてくれたため、とても助かった覚えがあります。夜中も眠らずに働いてくれるというロボットの利点がすごくメリットの部分として出たような状況でした。
第3波(2020.12月ごろ)~第4波(2021.5月ごろ)の約6ヶ月の間は、看護師が1ヶ月物品搬送にかかる時間は約69時間で、これをロボットが代替えしていました。 それを看護師が時給2,000円として計算をしてみたところ、1ヶ月で大体138,000円看護師が働く分をロボットが担ったという計算です。
また、防護服等の運搬にかかる元々のコストが1回150円と換算すると、6ヶ月で248,250円であるという数字が出まして、1ヶ月で約41,375円はかかるという結果でした。最終的に1ヶ月あたりの看護師の人件費とコストを合わせると、ひと月179,375円になりServiが3年契約で月額99,800円とお聞きしていたのでそこで差し引いても毎月79,575円の削減が月々にみられるという計算が出ました。

  • 本村 友一氏

    このお金の話しはすごいですよね。これが出ると非常に意味があり、Serviに投資する意味がよく分かるデータだなと我々も思っています。

  • コロナ病棟(レッドゾーン)で活躍するServi

    コロナ病棟(レッドゾーン)で活躍するServi

Serviが救った看護師のこころ

はじめてServiが来た時どのような感じでしたか?

水野 雅子氏

大学病院という安全が必要とされる場で、ロボットのような新しいものを導入したり、何か新しいことをやったりするのは、申請や手続きが本当に大変で、いち看護師として難しいことだと思います。
本村先生がコロナ禍の困難を乗り越えるために、ロボットを届けてくれたのは私たち看護師にとって本当に涙が出るくらい喜ばしかったです。
コロナという分からない病原体の不安の中に防護服を着て部屋に入っていく回数を減らせるということがすごく精神的にスタッフ達は救われました。このことは是非お伝えしたいことです。
コロナ禍の不安で忙しくて緊張した雰囲気の中で、例えば病室に届けるものを忘れた時に、一緒に組んでいる3人夜勤メンバーで怖い先輩が一緒だったりとかしたら頼みにくいかもしれない。そういったちょっとした気持ちの面でも、ロボットがいるから救われたという話もありました。Serviがいなかったらもっと人を置かないといけなかったですし、気持ち的にただ物を運ぶだけだった時間が、今は違うことができる時間になったこともよかったです。また、状態の良くなった患者さんにコーヒーや氷などを安易に運べるようになったので、患者さんの欲しいものを時間も選ばずに送ってあげることができたのも非常に良かったかなと思います。

Serviが運ぶのは医療物資から患者さんの軽食まで

Serviが運ぶのは医療物資から患者さんの軽食まで

「医療界にロボットが広がれば多くの方々の役に立つのは間違いないと確信的に思っています」

お医者さんの立場からロボットが医療現場にこれから役に立っていくと思いますか?

  • 本村 友一氏

    ほぼ間違いなく広がっていくと思います。
    たまたまコロナで必要性が広く認識されつつありますが、普段から我々は感染力が強かったり、重症化したりするような感染症と毎日向き合っているんですよね。ですから、きっかけはコロナであったとしてもコロナが終わった後の通常の病棟でも使えることは間違いないです。看護師さんという専門職の高い技術と能力を持った方々が、運搬などの単純作業をするっていうのはやっぱりよろしく無いですよね。医療現場において人手不足がある中でこういうことっていうのは、日常的にロボットに代替していくべきだと思います。そのため、医療界にロボットが広がれば多くの方々の役に立つのは間違いないと確信的に思っています。

  • レッドゾーンから帰ってきたServi

    レッドゾーンから帰ってきたServi

本日はお話、ありがとうございました。



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