月126時間の運搬を代替!
狭い通路でも部品運搬を自動化するファクトリーオートメーションの実現方法とは!?

  • 株式会社ライジング 様

株式会社ライジング 様

■AGVとKeenbotを組み合わせ、工場内の部品運搬業務を自動化
精密機器の製造現場で、「人にしかできない作業」に集中できる環境・体制を整備。生産性の向上を実現。
■1人当たり一日40~50往復も発生していた運搬作業を代替
部品の運搬作業で発生する無駄な移動を削減しただけでなく、資材の取り間違いなどのミスもなくなった。改善効果は、Keennbotが月126時間分の運搬作業の代替を実現(金額換算で月31.5万円相当分)。
■他社製品としっかり比較検討した上で、Keenbot導入を決定
アフターサービスや信頼感でアイリスオーヤマをご評価いただいた。

  • 【お話を伺った方】
    株式会社ライジング 代表取締役社長 西田洋一 氏
    株式会社ライジング 取締役副社長 藤田秀利 氏
    株式会社ライジング 明和工場  生産技術次長 四ツ谷浩稔 氏

  • Keenbot

  • Keenbot

  • 【施設・会社概要】
    株式会社ライジングは1952年に設立された、大阪市中央区に本社を構える精密機器メーカーです。主に小ロット・多品種の生産を行う三重県の明和工場と松阪工場、大中ロットの生産を行う中国東莞市にある中国工場の3拠点を展開しています。EMS事業(電子機器受託生産)が主な事業で、設計から製造・組立・検査・納品まで一貫生産しています。

課題

  • ①部品の運搬作業を自動化し生産性を向上させたい
  • ②「人にしかできない作業」に集中できる環境を整備したい

効果

  • ①1人あたり1日40~50往復も発生していた運搬作業をロボットで代替し生産性向上を実現
  • ②無駄な動きが減ったことで、目の前の作業に集中して取組むことができるようになった

“ファクトリーオートメーション”で新しい製造業の在り方を実現

株式会社ライジング様の概要をお聞かせください。

  • 西田氏

    弊社は精密機器や電子機器のEMS事業を中心に行っており、基板実装から完成品の製造まで行っています。「世界一の製造の黒子になろう」を理念とし、また人間性尊重の経営を掲げており、従業員の生活向上と、なんとしても黒字経営を実現し会社を健全に継続することをメインテーマに頑張っています。
    弊社は製造業ではありますが、従業員に対してはサービス業と捉えています。つまり、良いモノづくりをしてもらうために、例えば単純作業を減らし働きやすい環境づくりに注力し、工場のイメージを変えたいと様々な取り組みを行ってきました。

  • Keenbot

    株式会社ライジング 代表取締役社長 西田 洋一氏

ファクトリーオートメーションに力を入れていると伺いました。

西田氏

やはり従業員は人間ですのでずっと単純作業を繰り返すとミスも起きますし、モチベーションも上がりません。そういうモチベーションアップのために、生産を自動化するファクトリーオートメーションはどんどん取り入れたいと考えています。いいものを作ってもらうためには環境を整えないとできないと考えていますので、色々な単純作業を何とか軽減し、製造業や工場のイメージを変えたいという思いは大いにありました。

製造ラインの狭い通路で搬送を自動化するKeenbotとの出会い

Keenbot導入前の課題をお教えください。

  • 四ツ谷氏

    もともと製造工程の自動化は積極的に進めていました。大きな部品はAGV(自動搬送車)を使って、資材置き場から自動倉庫まで搬送を自動化していました。しかし、自動倉庫から各ラインへの部品の搬送は、通路の狭さがネックになって自動化できずにいました

  • Keenbot

    株式会社ライジング 明和工場生産技術次長 四ツ谷 浩稔氏

  • Keenbot

  • 生産時に部品切れが発生すると、どうしても部品を取りに行く作業が発生してしまいます。そのせいでモノづくりに集中しにくい環境にあったと思います。しかも、一番長いところで60メートルの距離を1人1日40~50往復しなくてはなりませんでした

西田氏

作業員が部品を取りに行く際に、部品が発見できなかったり間違ってしまったりという、時間のロスやミスもありました。
部品を集めるまでは効率化できているのに、その先は全く効率化できていない。原因は、やはり狭い通路を自動搬送できる方法が見つかっていないからだと思っていました。

Keenbotを知ったきっかけを教えてください。

四ツ谷氏

社長から飲食店で配膳ロボットが活用されていると聞き、調査することになりました。その時タイミング良くテレビで、飲食店でロボットが走っているのを見かけ、そちらを調べていくとアイリスオーヤマのKeenbotにたどり着きました。
センサーで障害物を避けながら走行する機能がついているということで、走行性は担保できると思いました。その上、デモンストレーションの依頼がすぐできたことで、現物を確認するまでの期間はかなり短くできました。

他社との比較検討はされましたか。

  • 藤田氏

    実はKeenbotの前に他社製品も検討しており、社長と四ツ谷と私の三人で、その製品のショールームへ見学に行きました。初見ではその配膳ロボットでもいいなと思ったのですが、ちょっと動きに不安があり、アフターサービスにも問題がありそうだったので、その場は帰ることになりました。
    その後、アイリスオーヤマが先行してKeenbotのデモを実施してくれることになり、そのデモで見たKeenbotが期待を超える走行性と安定性で、例えば障害物を回避するのもギリギリのところを回避しました。社長の「これに決めよう」という一声で導入を決定しました。

  • Keenbot

    株式会社ライジング 取締役副社長 藤田秀利氏

食堂でのデモンストレーションを経て本導入へ

Keenbotのデモはどのように行ったのでしょうか。

四ツ谷氏

生産品の秘密保持の関係で、製造現場でのデモは難しい状況でした。そこでアイリスオーヤマの方に弊社の明和工場に来ていただき食堂を見てもらったところ、「机も椅子も並んでいるし、昼の時間帯には従業員の方の目にも止まると思うので、こちらでデモをするのはいかがですか」との提案をいただき、食堂でデモをすることになりました。

藤田氏

食堂に障害物として椅子を配置して、それを回避する状態、ストップする状態等を確認させてもらいました。AGVの場合、ストップする際はブレーキの衝撃がかなり大きいのですが、Keenbotだと停止する時も衝撃がないということで、「安定性もいいし、これはいけるな」と思いました。

導入を検討する際にはどんな点を重視しましたか。

藤田氏

コストはもちろんですが、最終的には性能面、アフターサービス、サポート体制などを総合的に比較し判断しました。他社の製品は値段的にかなり安く魅力的ではあったのですが、走行安定性とアフターサービスについての懸念があり、アイリスオーヤマのKeenbotに決定しました。

四ツ谷氏

やはりアイリスオーヤマのブランド力と信頼性というのが一番大きかったです。また、アイリスオーヤマならではのノウハウや運用のアイデアにも期待して導入させていただきました。

アイリスオーヤマと作る製造業の未来

Keenbotの活用で、どんな効果を得ましたか?

藤田氏

いま、Keenbotを3台購入していて、1台はこの明和工場に配備しています。
明和工場では、自動倉庫と実装機のマウンターを連携して部品の出庫ができるところまで完成させていますが、その間を自動搬送するロボットとしてKeenbotを採用しました。
お客様のニーズに応えるためにラインを増設し、製造エリアはかなり狭くなっています。今のAGVでは走行幅が1.5メートル必要なのですが、Keenbotだと80センチの幅で走行できます。生産設備の所まで搬送できるということで、活用が始まっています。
実際にKeenbotが製造1ラインで50往復、1日あたり60分の運搬作業を代替しており、全6ラインでKeenbotが活躍しているため、月に126時間分の運搬作業の代替をしていることになります。金額的に換算しても月に31.5万円の改善効果を出してくれています。当社はKeenbotを現金購入しておりますが、この投資分と人件費を比較すると約1年強で投資分を回収することが可能になります。

  • いま松阪工場の敷地に新工場を建設中ですが、竣工後はKeenbotの台数を増やして、もっと細かく展開していきたいと考えています。
    試験運用を重ねていきながら、本格稼働につなげていきたいと思っています。

  • Keenbot

  • Keenbot
  • Keenbot

四ツ谷氏

製造の現場では、生産中に部品が切れてしまうことはよく起こります。これまでは出庫されたものをオペレーターが取りに行っていたのですが、その作業をKeenbotに置き換えることで、部品が切れる前に製造ラインに届けることができるようになりました。

  • やはり部品切れを起こす前に作業者のもとに部品が届くことで、作業性が上がっています。ラインオペレーターも生産に集中することができ、生産効率も上がってきていると思います。生産効率が上がったことで、ラインが停止する時間も短縮できています。

  • Keenbot

最後に今後の展望をお聞かせください。

四ツ谷氏

やはりものを作るというのは、自動化できる部分もありますが、人間にしかできない作業というのも多々あります。製造の中で人間にしかできないところを集中的にレベルアップして、より良いものを作るというところに力を入れていきたいと思います。

西田氏

松阪工場は新工場棟の竣工で、敷地面積が1.7倍に広がる予定です。こちらでも部品は一か所に集めたいので、自動搬送車がかなり活躍すると思います。部品を集積している場所からはAGVで運び出し、そこから各現場まではKeenbotで搬送するという工程を私たちは考えています。
事業としては、もっと新しいことに挑戦していきたいと思っています。挑戦するということは投資をするということでもありますのが、いたずらに怖がることなく、失敗も次に生かすように取り組むことを一番にやっていきたいと思います。

本日はお話、ありがとうございました。

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